子どもを教えるにあたって、必要な英語力とはどのくらいのレベルでしょうか。
キッズ英語は簡単
大人の場合には、ビジネスで使いたい、TOEIC800点を取りたい、など、目的がハッキリしていることが多いので、講師は必ずそれより上のレベルでないと、と目安はわかりやすいです。
でも、キッズ英語はそこまでハードルが高くないため、「子どもなら簡単そう」と考えがちです。これはある意味では正しいですし、ある意味では間違いです。
詳しく説明しますと…
キッズ英語が簡単な理由:「英語のレベルが高くない」
これは当然ですね。帰国子女のお子さんは別として、初学者から教えるとなれば、まずアルファベットや歌からになりますので、高度なライティングやリーディングのスキルは必要ありません。
必要な英語のスキルはこれだけ!
では、実際のクラスで求められるのが、どんな英語のスキルかを考えてみましょう。
思いつくものを箇条書きにしてみます:
① Classroom Englishを正確に使って指示を出す
② フォニックスの知識があって、発音が教えられる
③ 単語や文が正しい発音・アクセントで読める
④ 英検3級程度の対策・文法事項の解説ができる
………おそらく以上。
「たった4つ?」と不思議に思いましたか?
私もです。
他にもあるはず、と、いろいろと思い起こしてみましたが…
「英語のスキル」と考えると、どうもこれに集約できそうな気がしましたので、シンプルに4つとします。
英語が好きで、人に教えたい、と思うような方には、なんてことのないレベルですね。これならできそう、と思いますよね。
英語以外がとっても大変
しかし。
キッズクラスには、「クラスコントロール」という難題があります。
どういうことかと言うと、
一人ひとりの子どもの様子を見ながら、ほめ、注意もし、時には一緒に歌を歌ったり、踊ったりしながら、それと同時進行で、上記の4つのスキルを繰り出す
のがキッズクラスの適切な進行なんです。
大人のように、おとなしく座って聞いてはくれません。講師の指示のスピードにもなかなか合わせてはくれません。
そう考えると、上記の4つのスキルを持っているからと言って、そう簡単にできるものではなさそう、ということも分かってくるかと思います。
上の4つのスキルは、最低条件で、なおかつ「寝ててもできる」くらい体に染み込ませていないと、スムーズなクラス進行は厳しいです。
頭じゃなくて体で覚えよう!
ここで、体に染み込んでいるってどんなレベル?ということですが、
まずは大まかなイメージですが、
「特に準備をしなくても内容がスラスラ出てくる」
レベルかなと思います。手元にメモがなくてもできる、という感じです。
例えば、
①Classroom English
レッスン進行に必要な英語のフレーズは頭に入っていて、何の苦もなく言える。
②フォニックス
アルファベットの全レターサウンド(音)と単語例は、何も見なくてもスラスラ言える(例 A-apple, B-bookなどなど)。
③発音
単語のアクセントだけでなく、リンキングなど、英語らしい流れをもって文を読める。
④文法
文法用語が正確に使え、子どもにわかりやすい説明ができる。
…といったようなところでしょうか。
「知ってはいるけど、人に説明するとなると自信がない」ということを、
「よく知っているし、スムーズに説明できる」というレベルにしましょうということです。
マルチタスクの練習
逆にハードルが高そうに感じたかも知れませんね。
そんなにスラスラ出来ない…という方も、ガッカリしないで大丈夫です。今、そのレベルじゃないと教えられないという意味ではありません。
キッズのレッスンは『マルチタスク中のマルチタスク』と言えると思います。いろいろなことを同時進行でやることが、どうしても必要になってきます。
生徒の様子に目を光らせながら英語の歌を歌うとか、
英語を書きながら生徒からの質問を聞くとか、
誰もが最初からすぐにできるわけではありません。訓練が必要です。
英語のレベル的には易しい内容だからこそ、どんな時でもスラスラ説明ができるように練習をしておきましょう。頭で考えるよりも、何度も体で覚え込むという類のものですので。
自信ポイントを作りましょう
それを何度か続けると、どんなクラスであっても、自信を持って教えることができるようになると思います。ここは大丈夫!という自分の自信ポイントを作っておきましょう。
常日頃から自身の英語力と、ティーチングのテクニックには磨きをかけておきたいものですね。
コメント