英検の受験者数が年々増えています。とはいえ、入試とは異なり、得点上位者から◯◯名のみ合格、というような試験ではありませんので、受験人数を気にするのではなく、きちんと合格に向けた対策をしたかどうかが重要になってきますね。合格基準は得点約7割と通常言われています。
英検は4技能型
英検は、CSEスコアというスコアリングシステムを使っていて、単なる各パートの足し算で合否が決まるものではありません。
2015年までであれば、例えば、リスニングがとても苦手でも、リーディングでそれをカバーできていれば合格できるシステムだったのですが、それ以降は、各4技能が全て平均的にできていないと合格できない方法に変わりました。自分で計算しようと思っても、できるものではありません。
4技能重視の流れに沿った考え方と、国際的な他の英語検定試験で測れる能力との互換性を高めるのがその理由です。TOEFLやIELTSといった試験は、昔から4技能を測れる試験でしたよね。
英検CBT (Computer Based Testing)
英検には、2級以上であれば、CBTというコンピュータに向かって受ける試験があります。この試験方法で受験すると、4技能が一度で測れます。
通常のペーパー試験では、一次でリーディング・リスニング・ライティング、そして一次合格後、二次でスピーキングを受けるというのがメニューですが、それを一日でやってしまうものです。
スピーキングからスタート、それもコンピュータに向かって話すという形式なので、二次試験の面接より、コンピュータに話す方が緊張しないという人もいると思います。
自分の好きな方法が選べるのは良いですね。ペーパーとCBT両方を受けることもできるので、年間の受験回数も増やせます。
英検には壁がある?
さて、英検合格には、何段階かの壁のようなものがあると思います。
5級合格のあとに4級を合格するのは割とスムーズですが、3級で一度立ち止まってしまう人が多いです。
一旦その3級の壁を越えると、次の準2級は割とすんなり合格します。
でも次の2級でまたつまずきます。
2級を合格したと思うと、また準1級という高めの壁が現れて足踏み。
1級はさらにその上…、というように、立ち止まりやすいパターンというものがあるようです。
英検が苦手という方、この壁の前で立ち止まってしまっていませんか?
つまずく原因とは?
この原因としては、まず、
①文法の知識量が変わる
②リーディング・リスニングの分量(スピード)が変わる
ことが挙げられます。
でも実は、一番あからさまな違いがあります。
それは、
語彙数です。
おおよその目安ですが、5級と4級の語彙はあまり変わりません。1200〜1300語くらいで合格すると言われています。その中には、日常的なワードも含まれますので(例えば、motherとか、appleとか)あえて単語を苦労して覚えなくても、自然と頭に残っているもので勝負ができます。
ところが、3級になると、語彙数の目安は2000語程度と言われます。4級から考えると、急に700〜800語も増えたということですね。これは単語をインプットしていかないと追いつかないレベルの増え方です。小学校のうちに順調に5級、4級…とすんなり受かったお子さんでも、ハイ次クリア、という感じではなくなります。
文法事項も格段に難しくなりますし、自分の意見を書いていくライティングができないといけません。現在完了・不定詞・関係代名詞などが読めて・書ける、というレベルにしておきたいところです。
2級の語彙数は一つのゴール
さて次ですが、準2級では3500語くらい、そして、次の2級では5000語程度が必要と言われています。もう知っている基本単語を除いて、その都度、新たに知識を1500、さらに1500…と、増やしていかないといけないわけです。
準2級の場合は、3級と文法項目はほとんど変わりません。ですので、語彙を増やすことがポイントになります。
さて、ここで、5000語というのがどのようなレベルなのかを説明しますね。
実は、5000語程度というのは、語彙力の1つのゴールのようなもので、TOEICリーディングセクションを時間内に全て読める程度の語彙力とも言われています。
つまり、ビジネスでも通用しうる大人の語彙力がある程度身につくレベルということです。TOEICでハイスコアを狙うのであれば、英検2級程度の語彙力は必ず必要ということになりますね。
英検の話に戻りますが、2級では、高校で学習する英文法が一通り含まれます。ですので、語彙力だけでなく、文法も覚えておかないとリーディングができません。ざっと言うと、過去完了や原形不定詞、分詞の使い方といったところでしょうか。
昔の英検にはなかった級
ここで昔話。今から30年くらい前の英検では、「準〜級」というグレードはありませんでした。5級もなくて、4、3、2、1しかなかったわけです。(「そうだったね〜」という方、同世代かも☺)
その後、段階的に準1級、そして準2級と増えたわけですが、その当時の英検の語彙レベルと今の語彙レベルはあまり変わっていないようですので、3級(2000語程度)→2級(5000語程度)というのが、いかに無理があったかがわかりますね。
ここから先はスピード勝負
次の準1級ですが、使えるべき文法事項そのものは、実は2級とあまり変わりません。その代わり、読むべき・聞くべき分量が格段に増えるので、スピードが必要になります。
語彙数は7500語程度と言われていますので、2級まで合格した人は、さらに地道に+2500語を目標に増やしてください。
そして、お待たせしました、最後に1級です。語彙数は10000語程度からスタート、15000語くらいと言われています。
ここまで来るとリーディングの読むスピードが速いのは当たり前、リスニング音声を聞きながら選択肢を読むスキルもあって当たり前。
ライティングやスピーキングで、社会的な事柄について書け・話せる必要もあります。
地道な語彙力強化をしよう!
このように、英検では、それぞれのレベルで要求される語彙力というのが割とはっきりしています。英検の単語の対策本を見れば、分量やレベルの違いがよくわかると思います。
中学3年まで真面目に英語を学んだ生徒さんであれば、3級(あるいは準2級)までは、割とすんなり合格すると思います。
その上を狙うときは、語彙力が1つのキーとなりますので、地道な語彙力強化をぜひ学習に組み込みましょう。
対策を頑張っているはずなのに、なかなか受からないという方も、ぜひ足元から固めていってみてください。
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